仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 ぺり、とテープを剥がして中を見てみる。

 革を模した表紙はライトグレー。改めてよく見なくても私はこれがなにかを知っている。

「手帳……? でも、どうして」

「えーっと……たまたまよさそうなものを見つけたから。仕事で使いそうだと思ったんだけど……」

「ううん、使うよ」

 伝えたいことは、そんなつまらないことじゃない。

 でも、じわじわと込み上げるこの喜びをどこまで口にしていいのか。

(……和孝さんが私に手帳をくれた)

 手帳を持つ手にぎゅっと力が入る。顔を上げていないとうれしくて泣いてしまいそうだ。

(私に! 手帳を! プレゼントしてくれた!)
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