仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 そんな状態だということを伝えるのは申し訳ない。私のために時間を使わせてしまっているという事実も罪悪感をより強めた。

(そういえば、サキさんから全然相談されなくなったな)

 特に本人から聞いているわけではないけれど、もしかしたら夫婦生活を改善できたのかもしれない。自分のことのようにうれしいけれど、以前のようにそれなら自分もという気持ちは出てこなかった。

 和孝さんが好意を見せ始めたのは本当の私ではなく、おとなしい人間を演じる私。

 それが鉛のように重く胸を塞いでいる。

『週末の雑貨展に行きませんか?』

 サキさんの言う雑貨展がなんのことか、すぐにぴんときた。

 今週末、以前行ったアンティーク市のようにいろいろな雑貨が集まる展示会が行われる。
< 254 / 394 >

この作品をシェア

pagetop