仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
「餅って名前は望月からか?」

「う……うん……」

「やっぱり。そうなんじゃないかと思ったんだ」

 勝手に納得されているけれど、まだ私の頭は追い付いていない。

 頭を抱えていると、やんわり腕を掴まれた。

「とりあえず場所を変えよう」


 展示会の会場を出てすぐ外のベンチに腰を下ろす。

 気持ちのいい天気だからか、同じように外で談笑している人々が目に入った。中には芝生に直接座っている人までいる。

「はい、お茶」

「あ、うん……」

 自販機からお茶を買ってきてくれた和孝さんが隣に座った。ペットボトルを受け取り、冷たいお茶で喉を潤す。

「あの……私、全然意味がわからないんだけど……」

「俺も最初はわからなかったよ。というか、餅さんが紗枝さんだと思ってなかった」

「いつ気付いたの……?」
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