仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 引きつった声が口から飛び出したのを聞いているはずなのに、構わず私の首筋へと顔を寄せてくる。

 心臓が今にも弾けそうなほど激しく脈打っていた。和孝さんの吐息が肌をかすめ、今、匂いを嗅がれているという事実を嫌でもかというほど突き付ける。

「く……くすぐったい……」

 まともな声すらもう出てこなくて、ひどく上ずった声になった。

「もうちょっと我慢」

「無理……」

 私に押し潰された格好のまま、和孝さんは何度も深呼吸する。しかもそれに合わせて唇らしき柔らかいものが首筋に触れ、失神を通り越して息が止まりそうになった。

「や、やだ……」

 ひどく恥ずかしいことをされている気になって和孝さんに訴える。

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