仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 お願いだからと声に込めて和孝さんを見つめる。

 しばらく見つめ合ったあと、和孝さんは軽く両手を挙げた。

「わかった。今日は諦めるよ」

「本当? やった!」

 飛び跳ねそうになって慌てて自分を律する。ここは和孝さんの膝の上なのだ。飛び跳ねるのは危険が過ぎる。

 はしゃぎたい気持ちを抑えてゆっくり深呼吸し、男性にしてはなめらかな頬をそっと両手で包み込む。

 手のひらに柔らかで温かな感触がじんわりと広がっていった。そのぬくもりが私に移るのと同じ速度で、愛おしさも胸ににじんでいく。

「目……閉じて」

 緊張で口の中がカラカラになる。

「こう?」

 今度は拒まずに目を閉じてくれた和孝さんをじっと見て、つい呻きそうになるのを堪える。

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