仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 ふん、と真里が鼻を鳴らした。

 私も真里がこんな結婚をして悩んでいたら、同じように思っていたかもしれない。

「最低男かもっていうのは冗談として。向こうも普通に一目惚れだったりしないの?」

「それはない、絶対ない。だって私だよ」

 確信を持って言うけれど、真里は肩をすくめただけだった。

「あるとしても、顔じゃなくて話した印象がよかったってくらいだと思う」

「ならよかったじゃない」

「だから、今もずっとキャラを作って生活してるの。和孝さんが結婚してもいいって思った私のまま」

「うわあ、なるほど」

「うわあってなに、うわあって」

「いや、すごくめんどくさいなって。もう結婚は果たしたんだから、本性出しちゃえば?」

「やだ。嫌われたくない」

 テーブルの下で自分の手を握り締める。
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