寄り添って、そっと手を繋ごう
だから私は平気だった。
ひとりでも。誰からも心配されなくても。
見て見ぬふりをされても。
それで、救われることだってある。
同情の視線が1番痛いものだと知っているのは、同じ境遇に立たされたことのある人だけ。
“どうにかしてあげなきゃ。私は心配していて、本当は味方なんだよ。”
そんな考えは、偽善だ。
やめて。
放っておいて。
ひとりであることを自覚したら、余計にしんどくなるの。
今さら、息があがってくる。
階段をのぼったせいか、それとも、過呼吸気味なのか。
タオルが手元にないため、Tシャツの裾のほうを口元にあててしゃがみ込む。
息を、吸って、吐く。
幸い過呼吸は浅いし、私は対処法をよく知っていた。
「…シューズとタオル…最悪…」
あの先輩を探さなければならない。