月に魔法をかけられて
「美月ちゃんのパールピンク、とっても似合ってたよ。スクリーンで見るより、やっぱり近くで見る方が色っぽいね」

日焼けした肌からニコッと白い歯が覗く。
鍛え上げられた身体と、茶髪で無造作に毛先を遊ばせたパーマのかかった髪。くっきりとした二重に鼻筋が通り、整った目鼻立ち。

一見チャラそうで、デザイナーよりホストの方が似合っている気もするけれど、これは純也さんの趣味のサーフィンの影響だ。

見た目はチャラい純也さんだけど、仕事はとても真面目で、毎回いろんな要望に応えてくれて、こんな風貌からは想像できないような柔らかで繊細なデザインを生み出してくれるのだから、本当にすごい。

「純也さん、恥ずかしいこと言わないでくださいよ。あのステージに立つのだけでもすごく緊張したのに……」

「全然緊張しているように見えなかったよ。それより美月ちゃんがマーケから異動して全く会えなくなったから俺寂しかったんだよね」

「私もマーケの仕事大好きだったから寂しいです。今回の新色コスメのケースも純也さんがデザインしてくださったんですよね?」

「そうだよ。今回も美月ちゃんと一緒に作りたかったけどね」

「私も純也さんたちと一緒に仕事したかったな」

2人で楽しく会話を弾ませていると、いつの間に近くにいたのか、副社長が私たちの横から割り込むように顔を出した。
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