月に魔法をかけられて
「美月、着いたぞ。マンションはここでいいのか?」

かなり遠くから副社長の声が聞こえる。

「美月、大丈夫か? 起きれるか?」

「副社長………?」

名前を呼んでみるけれど、副社長の姿は見当たらないし、返事も聞こえてこない。目を開こうとするけれど、少し開いた瞬間、瞼が重くてすぐ閉じてしまう。

私、相当酔っぱらっちゃったみたい。
副社長、まだ私にお酒を飲ませるつもりなのかな。
もう飲めないよ。

「もう私……お酒飲めません……」

「酒は飲まなくていいから。美月、起きれるか?」

「ほんとに……もう飲めませんから……」

「わかった。もう酒は飲まなくていいよ。美月、マンションはここで合ってるのか?」

「だから……ちゃんと呼びますから……壮真……さん……」

私はまた深い眠りの中へと入っていった。
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