月に魔法をかけられて
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頭、いたっ……。

明るい陽射しとともに、ガンガンと響く頭の痛みで私は目を覚ました。身体は眠りから覚めているのに、頭の痛さとだるさでなかなか目が開かない。

もしかしてこの痛みって……。

これがよく言われる二日酔いというものなのだろうか。
昨日は副社長に散々お酒を飲まされてフラフラになりながら帰ってきたはずだ。あんなにお酒を飲んだのも初めてだったけど、こんな二日酔いになったのも初めてのことだ。

帰ってきてシャワーを浴びた記憶もないので、おそらくそのまま寝てしまったのだろう。布団からはかすかに副社長がつけている檜のようなフレグランスの香りがする。私は経験したことのない頭の痛さに、もう少し寝ていようと掛け布団をかぶり、ゆっくりと寝返りを打った。

んっ……? 
なんかおかしくない……?

いつもなら寝返りを打って足を動かすと、ベッドの端から足が出たりするのに、どれだけ足を動かしてもベッドから足が出ないのだ。それに掛け布団がいつもよりやけに大きく感じる。薄っすらと目を開けてベッドの端を確認すると、自分の部屋にはない観葉植物が目に入ってきた。


観葉植物? どうして?
こんなお洒落な間接照明って、私ベッドの横になんか置いてないけど……。

どういうこと?
もしかしてここって……私の部屋じゃない……?

ガンガンと響く頭を押さえながら、ゆっくりとベッドから起き上がる。すると見たことのない部屋の中に、昨日と同じワンピースを着た私がいた。
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