月に魔法をかけられて
「うわっ……真夜中なのにこんなに初詣に来る人がいるんだ……」
「ほんとだよな。こんな寒いのに……。みんな遅くまで起きてるんだな」
鳥居をくぐると、本殿へと向かうまでの道が既に行列になっているのを見て、あらためて真夜中でも初詣に来る人の多さにびっくりしてしまう。
「美月、寒くない? 大丈夫?」
「はい、大丈夫です……」
「ここからはかなり人が多いからもっと俺の近くに来て。絶対に離れるなよ」
「はい」
副社長はポケットから手を取り出すと、私の肩に手を回した。他の人たちから私を守るように、自分の横にぴったりと抱き寄せる。
「美月はそのまま俺のポケットの中に手を入れておいて。手が冷たくなるから」
副社長の優しい言葉に胸の奥がきゅうっと締めつけられた。コートの下では心臓がドクンドクンと再び音を響かせ始める。副社長に守られているという感覚が、私の身体と心を刺激していき、どんなに気持ちを鎮めようとしても、副社長への思いが溢れてきた。
ここ数日、自分の気持ちに必死に気づかないふりをして過ごしてきたというのに……。
どうしよう。こんなことされたら私……。
もう副社長への気持ちを抑えられないよ……。
ずっと副社長のそばにいたい……。
私は副社長の腕の中で少しだけ自分から寄り添うように身体を預けた。
「ほんとだよな。こんな寒いのに……。みんな遅くまで起きてるんだな」
鳥居をくぐると、本殿へと向かうまでの道が既に行列になっているのを見て、あらためて真夜中でも初詣に来る人の多さにびっくりしてしまう。
「美月、寒くない? 大丈夫?」
「はい、大丈夫です……」
「ここからはかなり人が多いからもっと俺の近くに来て。絶対に離れるなよ」
「はい」
副社長はポケットから手を取り出すと、私の肩に手を回した。他の人たちから私を守るように、自分の横にぴったりと抱き寄せる。
「美月はそのまま俺のポケットの中に手を入れておいて。手が冷たくなるから」
副社長の優しい言葉に胸の奥がきゅうっと締めつけられた。コートの下では心臓がドクンドクンと再び音を響かせ始める。副社長に守られているという感覚が、私の身体と心を刺激していき、どんなに気持ちを鎮めようとしても、副社長への思いが溢れてきた。
ここ数日、自分の気持ちに必死に気づかないふりをして過ごしてきたというのに……。
どうしよう。こんなことされたら私……。
もう副社長への気持ちを抑えられないよ……。
ずっと副社長のそばにいたい……。
私は副社長の腕の中で少しだけ自分から寄り添うように身体を預けた。