星空ラブソング

竹田さんの目の前に着くやいなやとりあえずやってしまおうと心を決めた。


「ちょっと見ておいてください」


私は飴を出すマジックをやり切った。

どんな反応が返ってくるのか、表情をみたいようなみたくないような感じ。


とりあえず俯き気味で左手に登場させた飴を竹田さんに差し出した。


「いつもありがとうございます。
甘いもの嫌じゃなければ、食べてください」

「何、今の!?かっこいいじゃん。
甘いものすげぇ好き。ありがとう」


不安をばっさりと拭うような明るい声が頭上から降ってきた。

しかもその口調が、今までに聞いたことがないくらい砕けた感じで私は目を見張った。

予想では、「何ですか、それ?急いでいますので」とかクールに言われたり、鼻で笑われたりして終わるはずだったのに、現実は真逆のことが起こっている。

にっと口角を上げる表情に色っぽさを感じて余計ドキッとした。

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