すぐそこに夏空が【中学生日記】
 ん?なんだ?
 奈緒の……水着、だと?
 オメェらなぁ、オレの彼女で変な妄想をするなょ……

 心の中でオレは、その悪友たちを叱り飛ばす。だが……
 確かに奈緒がプライベートで着る水着って、すぐにイメージ出来ない。はたして、どんなの着るんだろう……



♪キン〜 コン〜 カン〜 コ〜〜ン……

 昼休みが終わり、五時限目が始まる。

「あ、じゃぁこれ、クイズな。放課後までに俺が聞いておくから。お前ら、奈緒が持っている水着、考えておけよ」


……オイオイ、本気かよ。セクハラだぞ、それ。 と、注意したかった。
 だが、オレが奈緒を好きなことは、まだ誰にも公言していなかった。
 中途半端な正義感を、オレはそっと、自分の胸に仕舞い込む。
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