人魚の標本


「あ、あ、あやめ? なんで、あやめ、なにしてんだよ……?」

「なにって魚の管理だよ、いくら化け物でもさすがに死なないとは言い切れないからさあ」

「化け物……って、なに、どういうこと……」

「じゅりぃぃだずげてえええぇぇぇ!」

「あーもううるさいな」


 あやめは乱暴にガラス戸を開けると真智の髪を掴んで、口に大きな氷の塊を詰め込んだ。

 悲鳴のような、吐きそうなこもった真智の声に舌打ちをすると、今度は両目に大きな釘を押し込んだ。


「あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝っ‼︎」

「や、やめてあやめ!死んじゃうよ!」

「死なないよ、だってもう人魚になったんだから」
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