そろそろきみは、蹴られてくれ。


わたしたちが写真を撮る前にはいたはずだから……ついいまさっき、校舎裏に行ったって感じかな。


校舎裏ってどこだろ、結構広いと思うんだけど……気持ちを落ち着けるためにも、歩いて探そう。


わたしは、めちゃくちゃに鈍感だと思う。


思う、でも、やっぱりあれって……もしかして、もしかするよね?


うう、うぬぼれがすごい気もする、けど。


──そうだと思ってしまう。


いちど思い始めると、ほかが考えつかないから不思議だ。


しゅるりとハチマキをほどいて、ポケットに入れる。たいせつに、たいせつだからこそ、すぐそばに。


鞄を持って廊下に出ると、壁の白がやけにまぶしかった。

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