月が綺麗ですね、の国に恋したの♡
翌日、出社してメールを開けると、ロス支店のエディ部長から返事が来ていた。日本語に訳すと、

「親愛なるハル、

陸から(土田部長の下の名前は陸と言う)、話は聞いていたよ。とても優秀な営業部員だと。英語力にも問題なさそうだし、即戦力になってくれそうで嬉しいよ。基本的には、そっちでやっていることと内容は変わらないよ。ただ、アメリカ人のほうがもっとシビアだから、覚悟しておいてくれ。

1週間後が楽しみだよ、ハル。気を付けてきてくれ。ホテルの手配は、こっちでしておくから、また連絡するよ。

何も心配せずに、わがロス支店で働いてくれ。一緒に働けるのを楽しみにしているよ。

敬具

ジャック・エディ

PS. このメールには返信不要。私からの次のメールを待ってくれ。

ふぅ。とため息をついて、メールを閉じる。

あぁ、今日は、立花株式会社に営業だ。

「どうしたんですか?ため息なんてついて」

真野胡桃が、小首をかしげて尋ねる。手には、コーヒーを持っている。

「いや・・・なんでもない。今日は、すぐに出るからコーヒーはいいよ」

「ロス支店に半年行っちゃうって噂、本当なんですか?」。


あぁ、面倒だな。もう、噂になってるのか。

「あぁ、本当だ。半年ごとに東京とロスを行ったり来たりだ。じゃあ、行ってくるよ」

「・・・行ってらっしゃい」

他に何か言いたそうだったが、あえて聞かないことにした。

立花株式会社での営業は、収穫がなかった。でも、もう一押しだ。そんな気がする。

会社に戻り、社食でランチを摂っていると、真野胡桃が話しかけてきた。

「森谷さん、あの・・・」

「何?」

「話せますか?ちょっと2人っきりで」

何だろう・・・?不審に思いながらも答えた。

「ちょっと待ってて。どこで話す?」

「屋上で、いいですか?」

「食べたらすぐ行くよ。待っててくれるかな」

「はい」

何の話だろう?送別会の話なら、別に2人きりでなくてもいいよな、と思う俺だった。
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