どうして・・

···二人が心配


二人が記入すると
先生は、書類を確認して
更に書類を一枚ずつ
二人に差し出した。

私は、スクリーンを見る。
そこには

今後一切
日垣 彩羽さん並びに
日垣家のご家族
川本 悟様
川本 緑様への接触を禁止します。

これを守れない場合は、
違約金もしくは、警察に
直ちに連絡いたします。
と、書かれていた。

新は、両親を見たが
諦めた用に記入した。
美春も記入していた。

ここで····
「お二方、この件は
私の方からも警察庁に届けを
出させてもらっています。
間違っても彩羽さんに
近づかないでくださいね。
私の仲間の検事達や
奥菜弁護士の友人達には
凄腕の弁護士が集まって
おりますので、その辺りの
弁護士では勝ち目はありませんよ。
まぁ、奥菜の名前を出せば
潜りでない限り
あなた方の依頼を受ける弁護士は
おりません。
潜りなら、叩き潰すのみです。
海外にも仲間は沢山おりますので。」
と、一華さんが立ち上がり
通る声で二人に向けて言った。

私は、凄い
と、見つめるだけで精一杯だった。

二人は、慌てて書類に記入した。
それを先生は、また確認して
「ありがとうございます。」
と、淡々と言った。

「それから·····
と、言って
父が先生にお願いしていた事を
話し始めた。
式場の費用が400万
その内、ウェディングドレス
白無垢、カクテルドレス二枚
彩羽にかかった費用は
父が払うと。

川本のお父さんは、
「それは、だめです。」
と、言ったが
父は、
「もし、また、彩羽にそんな
相手が出来たら、それに越したことは
ないのですが。
この事で、彩羽の中では
式、ウェディングドレスは
負のワードとなり
難しいのではないかと
思っています。
私としましては、娘の晴れ姿を
見たいと思っていますが
それを彩羽に強要することは
できません。
ですから、彩羽が着たいと思っていた
物の支払いをしたいのです。
どうか宜しくお願いします。」
と、頭を下げる両親に
私は涙が止まらなかった。

川本のご両親もやっと
おれてくれて先生経由で
支払いを受ける事になった。

「これで、日垣家と川本家の
依頼は、終わりましたが
いかがされますか」
と、先生に聞かれて
父達は、
「最後まで見届けます。」と、言い
川本のご両親は
「疲れたので帰ります。」
と、言った。

新は、立ち上がろとしたが
先生に止められた。

私は、立ち上がり
川本の両親にそばに行くと
川本のお母さんが私を
抱き締めるから私も
抱き締めて
「お父さん、お母さん、
こんな事になって
本当にすみません。
お体にはくれぐれも
   気をつけてくださいね。」
と、言うと
「彩羽ちゃん、本当にすまない。
彩羽ちゃんも身体に気をつけて
幸せになって欲しい。
俺も母さんも、それだけを
祈ってるから。」
と、言いながら
三人で涙を流す。

本来なら父と母になっていた人達だ。

彩羽は、心配でたまらなかった。

二人を事務所の玄関まで
見送り元の場所に戻ると
一華さんがハンカチを渡してくれた。

私のは、もうぐじょぐじょだったので
素直に受けとった。
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