どうして・・

···温かい人達


一華さんと奥菜先生は
私の元に来て
「大丈夫ですか?
長くて、聞きたくない事も
見たくない事もあったでしょう?」
と、言ってくれたので
「先生、本当にありがとうございます。
奥様の一華さんもありがとう
ございました。
私は、結婚に縁がないようです。
父が言ったように
両親に私の花嫁姿を見せる事は
ないと思っています。
ですが、今からは、
私の愛する父と母に沢山
親孝行をして行きたいと思います。」
と、言うと
先生は、悲しそうな顔をした

そんな時な
ドアが開き
「一華、大丈夫か?」
と、男性が入ってきた
「どうしたの、日和。」
と、一華さんが言うと
「えっ、佐野先生?」
と、父。
「あっ、日垣さん。
奥菜は、私の義弟になります。
年は上ですけど。
一華は、私の妹です。」
と、話していると
一華さんの携帯に電話が
「どうしたの?怜。」
と、言うと奥菜先生がギクっとして
「怜、勝手に一華に電話すんじゃねえ。」
と、言う先生に
「もう、てっちゃん、黙ってて。」
と、一華さんは言い
続きを話すと
「てっちゃん、怜がテレビ電話に
切り替えてって。」
と、言うとパソコンに
電話が切り替わる。

すると·······

これまた、イケメンの方が映り
「日垣 彩羽さんでいらっしゃいますか?」
と、いきなり言われて
「えっ、ええ。」
と、答えると
「私は、弁護士の大賀 怜と
申します。
佐山・テア・クライン様の
財産管理をさせて頂いておりまして
佐山様よりご依頼を受けたのですが
私がもっとも信頼する佐野や奥菜に
話が通ったと言うことで
安心しておりました。

その旨を佐山様にも
ご報告させて頂きました。

おばあさまは、かなりご立腹で
ございましたが、
彩羽様が幸せになることを
心から願っております。

それと、私の知人から
メッセージがあるのですが
流しても宜しいでしょうか?」
と、言われて
次々に起こることに頭が回らないまま
頷くと······私を捨てた····山寺 律が
写し出されて

何を言われるのかと
目を閉じると

「彩羽、元気にしているか?
彩羽が結婚をすると、テア様から
知らされて····
目の前が真っ暗に···なってしまった。

あの時、彩羽と別れた事を
どんなに後悔したか
どんなに悔やんだか
だが、成果をださないと
彩羽に顔向けができないと
この四年必死でやってきて
実績もつみ、自分に自信がついたから
彩羽に会いに戻る予定にしていたんだ。

彩羽、結婚を止めてくれないか?
俺では、だめか?
もう、遅いのか?
近い内に日本に帰るから
その時に返事を聞かせて欲しい。
もう一度、もう一度だけ
彩羽のグリーングレーの瞳に
俺を写して欲しい。」
と、言うと画面は切れた。

両親は、呆気にとられていたが
一華さんも奥菜先生も佐野先生も
私の瞳を見ていた。
「あっと、コンタクトをしています。
小さい時から父が心配して
度なしのコンタクトを
しているのです。
ずっと、そうしているので私自身も
忘れてしまうのです。」
と、言うと
「見せて頂けませんか?」
と、一華さんに言われて
「はい。」
と、言い恥ずかしいが
手鏡を使いコンタクトを外すと
三人は覗きこんで
絶句した。

「ああ···あのう
大したことでは、ないでしょう?
律は、大げさなんですよ。」
と、言うと
「「「いや、いや、いや、
凄い、始めてみた、エキゾチック
きれ~い、同じ人間なのにずるい!」」」
三人は、驚いたり
感心したり、感動してくれた。
私は
「あっ、ありがとう···ございます···。」
と、言う中·····
視線を感じて、そちらを見ると
新が見ていた。

ん?と思っていたが
そういえば見せた事なかったかな
と、思っていると·····
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