契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
基本は家族葬だけど、充子さん達も弔問に訪れた。

「今度は四十九日か…」

仏壇に供えられた母の骨壷と遺影を眺め、父がしみじみと漏らす。

「まぁ、杏南も結婚したし…心残りは杏南の孫かな?なぁー俊吾」

「こればかりは…授かり物だし。なぁ―杏南」

「そうよ。浩平兄」

「俺と葉月はちゃんと孫見せたぞ。なぁー雄平」

「うん」

五歳になる保育園児の雄平君が頷く。

私達はお茶を飲み干すと腰を上げて、自宅を後にした。



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