契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「・・・淡路、嘘をつかせて申し訳ない…」

「…いえ・・・年始の挨拶もされなかったと酒井衆院議員は申しておりましたが…事実ですか?」

「ワザワザ、そんなコトを淡路に言ったのか?」

「…彼は何れ入閣を果たし、IT担当大臣となるお方。国家事業をこれから共に担う相手を蔑ろにするとは副社長らしくないですよ…」

「…分かってる…」

「私が会いたくないんです…酒井衆院議員もご子息と…だから…その…」

「奥様!?」

「杏南…君は何も言わなくてもいい…」

「でも・・・このままだと…俊吾が仕事やり辛くなるでしょ?」

「俺はいいんだ…杏南君の方が心配だ…」


淡路さんは軽く溜息を付き、スマートフォンを覗き、時間を確かめた。

「副社長、時間ですよ…」

「そのようだな…淡路、俺は社長と少し話をするから…杏南を頼む」

「承知しました」

「じゃ俺は先に行くよ…」

彼は淡路さんの居るのに、私の頬にチュッとキスをし、優しくお腹を撫で撫でして、控室を出た。

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