契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「何のお話でしょうか?酒井衆院議員」

「何の話って…『梁山閣』で…」

「・・・ご子息にハクを付けたいのは分かりますが…俺はそう言った取引はしない主義なので…」

「貴様…誰に向かって口を訊いてる!」

酒井衆院議員が突然、俊吾の上着の襟を掴んだ。

「俊吾!?」

「離してください…」

俊吾は冷たい眼差しを向け、酒井衆院議員の手を払い除けた。

「父さん!?」

「…皆が貴方を見ていますよ…ご子息のコトよりも自分の立場を考えた方が適切かと思います。
俺はこれで失礼致します」

俊吾は私の腕を掴んで、さっさと二人の前から退散した。

「何、言われた?」

「別に…」

「過呼吸は起こさなかったようだな…杏南」

「うん…大丈夫だったわ…」

彼の声を訊いて、背筋に悪寒が走ったけど。
過呼吸にはならなかった。

「二人で何を話していたんですか?」

「ふん…別に…くだらないコトだ。
我が社に入社して三ヵ月の息子を国家事業のプロジェックチームにどうして入れなかったと責められたんだよ…全く」


< 182 / 224 >

この作品をシェア

pagetop