身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「帰るの急いでる?」
「あ、それは、大丈夫ですけど……」
「そっか。ちょっと来客がありそうで、それが済んだら送っていく」
パソコンを閉じ、晴斗さんは立ち上がる。
「来客、ですか?」
「ああ、弟なんだけどね」
「弟さんがいるんですか」
「うん、双子の弟がいる」
「双子!?」
思わぬフレーズに、つい声のボリュームが上がる。
私のリアクションがおかしかったのか、晴斗さんはくすっと笑った。
「そんな驚く?」
「驚きますよ、双子なんて。身近にいないですし……」
ということは、晴斗さんにそっくりな美形の男性がもうひとりいるということだ。
それはそれで見てみたい。
「そういうもんか。俺にとっては普通のことだからなんとも思わないんだけど」
「それは、当の本人はそうかもしれないですよね」
そんなことを言いながら、和やかに笑い合う。
ふと、あの沖縄での楽しかった時間を彷彿とさせた。
部屋に中にインターホンが鳴り響き、晴斗さんは「噂をすればかも」とリビングを出ていく。
すぐに玄関のほうから近づいてくる気配を感じて、ソファに掛けたまま姿勢を正した。