身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「良かった。薬入れてるし、また安静にしてたら落ち着くから大丈夫。とにかく今は、体のことだけ考えてなさい」
「うん、そうだね」
「私はまた明日日勤だから帰るけど、朝から来るから」
「うん。ごめんね、お姉ちゃん」
謝ると、お姉ちゃんは「何謝ってんのよ」とにこりと微笑んだ。
「ねぇ、佑杏……」
「ん?」
私を呼んだお姉ちゃんは、目が合うと一瞬迷ったように口を閉ざす。
小首を傾げて続きを待つと、意を決したように口を開いた。
「今朝……佑杏のことを訪ねてきた人がいたの」
「え……?」
「成海先生……うちの、呼吸器外科のドクター」
その名前を聞いた瞬間、目を見開き瞬きを忘れていた。
どうして、お姉ちゃんが晴斗さんのことを……?
それに、驚くべきことを口にしていた。
晴斗さんが、この病院に……?