身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「良かった。薬入れてるし、また安静にしてたら落ち着くから大丈夫。とにかく今は、体のことだけ考えてなさい」

「うん、そうだね」

「私はまた明日日勤だから帰るけど、朝から来るから」

「うん。ごめんね、お姉ちゃん」

 謝ると、お姉ちゃんは「何謝ってんのよ」とにこりと微笑んだ。

「ねぇ、佑杏……」

「ん?」


 私を呼んだお姉ちゃんは、目が合うと一瞬迷ったように口を閉ざす。

 小首を傾げて続きを待つと、意を決したように口を開いた。


「今朝……佑杏のことを訪ねてきた人がいたの」

「え……?」

「成海先生……うちの、呼吸器外科のドクター」


 その名前を聞いた瞬間、目を見開き瞬きを忘れていた。


 どうして、お姉ちゃんが晴斗さんのことを……?


 それに、驚くべきことを口にしていた。


 晴斗さんが、この病院に……?

< 137 / 238 >

この作品をシェア

pagetop