身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「なん、で……」

「やっぱり、彼がそのお腹の子の父親なのね」


 話の全容について行けず、ただ目の前のお姉ちゃんを見つめ続ける。


「どういうこと? 晴斗さんに会ったの? 彼はこの病院に勤めているの?」

「見慣れないドクターが来てるなって思ったら、佑杏のことを訊いてたの。だから、私の妹になんの用ですかって聞いて。そしたら、佑杏に誰も面会が来てないことを問い詰められて……」


 え……。


 きっと、元カレとよりを戻したと言ったからだ。

 それなのに、誰も来ていないと知っておかしいと思ったに違いない。


「先生にはお話できませんってお断りしたんだけど、元カレの子だっていうのは嘘だと気付いているかもしれない」

「そんな……」

「突然来て、佑杏のことを訊くもんだから、もしかしたらこの人って思って……ごめん、私……沖縄にいましたかって訊いちゃったの。そしたら、それを知っているということは、佑杏から何か聞いているんだよねって言われて……」


 嘘……。


 驚愕することは様々あるけれど、一番は晴斗さんがここまで来たということだ。


 どうして、わざわざ私なんかを捜して……。

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