身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「なんか、思い出します」
「何を?」
「あの、沖縄で過ごしたことです」
駐車場からショッピングモール内へと入っていきながら、久しぶりに外をこうして晴斗さんと手を繋いで歩くことに懐かしさを覚える。
あの時はとにかくドキドキばっかりしていたけど、今はこの手のぬくもりにホッとして安心できる。
繋いでいるだけで守られている気がするから不思議だ。
「手繋いだら、緊張してたもんな」
「そっ、そりゃそうですよ。まさか、マスターのおふざけを本当に実行するなんてって思いましたもん」
そう言うと、晴斗さんはフッと笑う。
「なんだかんだ言って、ダイさんがいたから今の俺たちがいるってことだもんな」
「あー、確かに!」
あの時、マスターがひとり寂しい私に付き合ってやれと晴斗さんに言わなければ、今こうしてふたりでベビー用品を見に行こうなんてことになっていなかった。
失恋のショックで沖縄旅行自体しなければ、お姉ちゃんにDai’sを薦められなければ、晴斗さんがあの日お店に来ていなければ、今の私たちは存在していなかったのだ。