身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 赤ちゃんを迎え入れるための用意はほぼほぼできているとは思うけど、実際に生まれてみて一緒の生活が始まらないと、本当に必要なものと不要だったものはわからないらしい。

 例えば、ミルクなんかは母乳育児をすることになれば大量にはいらないとお姉ちゃんが言っていたので、最低限の量しかひとまず買わないでおいた。

 デパートよりも、多くの子ども服のブランドが入るショッピングモールのほうが欲しいものが見やすそうで、昨日から晴斗さんに行き先を希望していた。

 いつ陣痛が始まって病院に向かうことになるかわからないため、もうこの時期に遠出はできない。

 私の要望通りショッピングモールに到着すると、晴斗さんは広い駐車場の優先スペースに車を駐車させた。

 いつも通り先に車を降車し、私のほうへと回ってくる。


「足元、気を付けて」

「ありがとうございます」


 晴斗さんの手を取り、車から足を下ろす。

 晴斗さんは指を絡めてしっかり手を繋いでくれた。

 妊娠後期に入ってから、一気にお腹の膨らみが進んだ気がする。

 こうして真っ直ぐ立った時、お腹が出ていて足元が見えづらいのだ。

 そんなことも、自分が身をもって体験してみてわかることだった。

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