身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「いつの間にそういうことになってたんだよ! 俺聞いてないぞ!」
言ってないからな、と思いながら「すみません」と謝る。
「そういうわけで、しばらくご迷惑をかけますが。俺の担当してる方はその間先輩に引き継がせてもらいますんで」
「おう、それはバッチ来いだけどよ。いや、待って、まさかお前が目にも見えぬ速さで奥さんと子どもまで手に入れるなんて……」
御手洗は「百戦錬磨の俺だってまだ嫁さんもらえてないのに!」と騒ぎ始める。
仕事の腕には尊敬すべき点もある彼だが、こういうところが毎回非常に面倒くさい。
「御手洗先生、そんなんだから彼女できないんですよー」
「そうですよ! 成海先生みたいにひっそりと本命がいるようなタイプが女性にはモテますよ」
うるさい御手洗を見かねた女性陣から、彼にとっては耳の痛い言葉がかけられる。
「あー、うるさいうるさい! 俺は俺の道をいくからいいんだ!」
負けじと言い返した御手洗が俺の耳元に近づく。
「でもよ、お前がいきなり結婚して子どもまで生まれて、ショック受けてるうちのスタッフ大量にいるんじゃねーか?」
「……いや、そんなことはないかと」
「そんなショック受けてる子を慰めてゲット……なんてのも悪くないな。おっ、それいい案じゃん」
「好きにすればいいですけど、また間違いだけは起こさないように」
ひとり盛り上がる御手洗に毒を吐くと、「成海先生、いいですか」と先に仕事を始めていたスタッフに呼びかけられた。