身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「佑杏、行くぞ」
「あ、はい」
その足で向かったのは、ホテル内にあるイタリアンレストランだった。
ロビーラウンジと同じ階にあるレストランは同じく天井が高く、一面のガラス張りからは細かな光を散りばめられたような夜景が広がる。
ここのホテルの階に着いてから、今日はこの格好で来て正解だったとホッとしている。
周囲を見ても客はみんな上品な格好に身を包んでいる。
「佑杏、今日は久しぶりに飲んでもいいんじゃない?」
「えっ、あ、そうか、今日は授乳もないから……」
「……? 考えてみたらさ、俺たち知り合ってから一緒に飲むの初めてじゃないか?」
「あ……確かに」
沖縄で初めて会った時、晴斗さんは少し飲んでいたみたいだったけど、私は車でホテルに帰る都合があったから飲酒はしていなかった。
翌日一緒に沖縄観光をした時も、ふたりとも運転の関係でお酒は一切飲まなかったのだ。
私はそのあとすぐに妊娠がわかったから飲酒はやめていたし、もうかれこれ一年は飲んでいないことに気付く。
「せっかくだからワインでも飲むか?」
「いいですね、ぜひ」
思いがけず晴斗さんと一緒にお酒を楽しめることになり嬉しくなる。
晴斗さんはスマートにスタッフを呼び、ワインのオーダーを入れてくれた。