身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「やっぱり、映画館で観る映画って格別ですね。画面もだけど、音とかがやっぱりいい」
夕方五時過ぎ。
予想通りリング選びは難航を極めた。
それでも晴斗さんは選べない私に根気よく付き合ってくれ、恐れ多くもあんな高級ブランドのジュエリーショップで一生モノのリングを購入してくれた。
オーダー制のため後日改めて手に取ることになるけれど、楽しみな反面本当にいいのだろうかとも未だに思っている。
夕方五時という時刻を見て、いつも授乳をしているのがこのくらいの時間が多いなとふと思う。
お姉ちゃんが帰る前に搾乳した母乳を渡したけれど、そろそろ胸も張ってきている感じがする。
映画のあとに晴斗さんが向かったのは、大手町にある都市型ラグジュアリーホテル。
高層ビルの最上層に位置するそこは、東京の街を眼下に浮かんでいるような錯覚を起こしてしまう絶景を備えていた。
見上げるほど高い天井のロビーラウンジには、ビルの中とは思えない大きな池があり、そこに巨大な生け花のように植物が飾られていた。
晴斗さんがチェックインをしている間も、物珍しいものでも見るように周囲を鑑賞してしまう。