身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「ごめん、とりあえずこれで」
奥から足音と共に声が聞こえてくると、出てきた晴斗さんが私に向かってブラウンカラーの折りたたまれたタオルを投げてくれた。
「あ、すみません。ありがとうございます」
玄関の少し奥の扉に入った晴斗さんから「使って」と声をかけられる。
申し訳ないなと思いながら折りたたまれたままの状態で体の表面をタオルで抑えていると、姿を現した晴斗さんが「何やってんだよ」とこっちに近づいてきた。
入っていたドアの先はバスルームだったようで、別のタオルで髪を拭きながらやってくる。
私からタオルを取り上げ、広げた状態にして頭から被せてくれた。
ふわりと洗剤か柔軟剤の洗い立てのいい香りに包まれる。
晴斗さんは両手で私の頭を包み込むと、お風呂上りにするみたいに濡れた髪を拭いていく。
「すみません……」
目の前で髪が揺れる向こうで、ちょうどニットのⅤネックから覗く綺麗に突出した鎖骨に視線が奪われる。
勝手にドキドキ鳴ってしまっている鼓動に気付かれないよう、すぐに視線を逸らし目をつぶった。