身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 旅行のプランには、沖縄滞在中に現地で移動に使うレンタカーもプランに込みで、那覇空港からレンタカーの営業所まで専用のマイクロバスが送迎してくれる。

 ひとりバスターミナルから迎えのバスに乗り込むと、空いている一番前の座席にひとり腰を下ろした。

 すでに乗り込んでいる乗客も、私のあとから乗ってきて人たちも、私のようにひとりの旅行客なんて誰もいない。

 友達同士やカップル、家族連ればかりだ。

 まさかの傷心旅行……だもんね。

 出発したバスの中、周囲から聞こえる楽し気な話し声を耳に寂しさが微かに込み上げた

 営業所に着き手続きを終えると、車のチェックを済ませいよいよひとり車に乗り込む。


「さて、と……」


 久しぶりの運転で心なしか緊張する。

 最後に運転したのは、たしか一か月ほど前、卓哉と横浜に出かけた帰り道……。

 眠いから運転を代わってほしいと言われ、帰宅の道を運転したのだ。

 あの時から、すでに二股してたのだろうか……?

 そもそも、いつからだったんだろう?

 昨日はそこまで考えが及ぶ余地がなかったけれど、一日経って、思い切って沖縄まで来てみて、やっと少し落ち着いていろいろ考える余裕ができる。

 今となっては、いつから二股をかけられていたのかなんてわかるはずもなく、別に真実を知りたいとも思わない。

< 8 / 238 >

この作品をシェア

pagetop