身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
もしかしたら、初めから二股だったのかもしれない。
もしかしたら、私のほうが浮気相手だったのかもしれない。
もしかしたら、もっと他に現在進行形で関係を持つ相手がいるのかもしれない。
考えだしたらきりがなくて、ついため息が漏れ出てしまった。
とにかくはっきりしていることは、彼との未来はなかったということ。
むしろ昨日、あの現場に遭遇して全てを知って良かったのかもしれない。
昨日、もしサプライズ訪問もせず、大人しく家に帰っていたらあんなことになっているなんて知らなかったわけで、今日だって何も知らずに一緒に沖縄に来ていたはずだ。
そう考えると身も毛もよだつ。
エンジンをかけ、宿泊予定のホテルをナビに設定する。
ハンドルを握り、いよいよ沖縄の地を走り始めた。
街並みも、歩いている人たちも、東京を車で走るとはまるで違う景色が広がる。
観光地らしい看板が多く目に入る中、レンタカーの営業所から車で約一時間。
借りたコンパクトカーでの運転の感覚も掴み出した頃、宿泊予定のホテルが見えてきた。
知らない地だけれど、ナビで迷わずスムーズに運転できてホッとする。
チェックイン時刻を十五時にしてしまったため、とりあえずどこかでお昼を取りながらガイドブックでも眺めようと更に車を走らせた。