はなうらない

と、言いながらも、仕事は出来るんだよな……。

缶コーヒーを飲みながら横目で有明を追う。
てきとうに周りの人間と会話しているだけかと思えばそれを仕事に繋げたり、PCの前に座っているだけかと思えば、資料を誰より先にあげたり。

資料の確認を私に渡してくるのは、本当に試しているのだと思う。

「有明さんですか? いつもあんな感じですねえ」

籾野さんはお弁当箱を開けながら言う。

「新人に絡むのが?」
「誰にでも絡みますけど、たぶん正武さんだからっていうのもあると思います」

そういう特別感はいらない。

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