贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
翌年の夏 私は 元気な男の子を 出産した。
私達は その子を 旭《あさひ》と名付けた。
お腹の子の 性別がわかると
今回も 悠樹は 名前を考え始めた。
「明日香。子供の名前 旭ってどう?」
「旭君? 明るくて 前向きな感じがする。いい名前だね。」
「だろう?旭っていう漢字には 明日香の日が 入っているし。」
「えーっ?悠樹さんは?」
「旭は 俺を超えなければ いけないから。あえて 俺の名前は 入れなかったの。」
「そうなの?旭は 悠樹さんを 超えるの?」
「そう。俺と明日香で 旭を 俺達よりも 幸せに育てるんだ。」
「フフ。私達より 幸せって…難しいかもね。」
男の子と分かって 私は 少しホッとしていた。
これで 悠樹の後継者を 産むことができた。
悠樹は 結愛のことを とても可愛がっていたし
男の子がほしいとは 言わなかったけど。
悠樹は 跡継ぎを 望んでいたはず。
自分が 父親を見て 育ち
父親の仕事を 継いだのだから。
私は 旭を産んだことで
大きなプレッシャーから 解放された。