救われ王子にロックオン~溺愛(お礼)はご遠慮させて頂きます~
入院中の光治の経過は順調だった。

3日めからは仕事を持ち込んで、パソコンを使ってリモート会議に勤しむこともできるようになった。

初めに聞いていたように、2日目には水分が開始となり、硬膜外のチューブも抜けた。

それから段階的に食事形態がアップとなり、ドレーンも抜けて室内を自由に歩けるようになった。

その間、あやめは毎日、朝と晩、男性看護師と共に光治の部屋を訪れ診察と処置を施してくれた。

ホテルのようなラグジュアリーな一室。

万全の看護体制。

工夫を凝らした食事。

優しい主治医の笑顔・・・。

全てが光治の満足いく入院生活であった。

ただの一点を除いては・・・。

< 14 / 101 >

この作品をシェア

pagetop