今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

瀬那先生は私のことをからかいやすい生徒くらいにしか思っていないだろう。



まだまだ子どもだからと甘くみてるんだろうけど、私だってもう16歳で法律上では結婚できる年齢なんだからね……!



どう誘惑するかはまったく考えていないけど、それはその場その場の流れで決めればいいかな……。



流れに身を任せてみようと思っている。



地理の先生が急ぎの仕事があるから誰かに資料を持っていってほしいと、みんなに言った。



しかし、誰も名乗り出ず……。


たまたま目が合った私は先生に「呉羽、頼めるか……?」と言われてしまったため、人からの頼みを断れない私は引き受けることにした。



そんなときに限って蛍は昼休みに委員会の集まりがあるからと授業が終わってすぐ教室を飛び出てしまった。



仕方なく重い資料を持ちながら廊下をゆっくりと歩いた。


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