切ないほど、愛おしい
幸い緊急のオペも急変もなく、時刻は2時を回った。
あと3時間もすれば勤務は終わる。
それまで頑張ろう。
自分でも、時計を見る回数が増えていることに気づいている。
これは体調が悪いときの癖。
とにかくこの時間が過ぎて欲しいと、時計を気にしてしまう。
「長谷川先生具合が悪いなら受診しておいでよ」
今日たまたま出勤していた産科部長が、パソコンを叩きながら言ってくれる。
きっと今は暇だから行っていいよって意味だと思うけれど、行ったら最後帰れない気がして足が向かない。
今日みたいな休日シフトの日に、医者が1人いなければそれだけ周りの負担が大きくなる。
私なんて何の力にもなれないのかも知れないけれど、それでも、一番下っ端の研修医の私が先輩たちの足を引っ張るわけにはいかない。
だから、頑張ってしまう。
「大丈夫です。もう少し様子を見て調子が悪ければ受診します」
本当は倒れてても仕事をこなすつもり。
今の私にはそうするしかない。
その時、
「お疲れ様」
聞き慣れた声が耳に届いた。
う、嘘。
私は固まった。
あと3時間もすれば勤務は終わる。
それまで頑張ろう。
自分でも、時計を見る回数が増えていることに気づいている。
これは体調が悪いときの癖。
とにかくこの時間が過ぎて欲しいと、時計を気にしてしまう。
「長谷川先生具合が悪いなら受診しておいでよ」
今日たまたま出勤していた産科部長が、パソコンを叩きながら言ってくれる。
きっと今は暇だから行っていいよって意味だと思うけれど、行ったら最後帰れない気がして足が向かない。
今日みたいな休日シフトの日に、医者が1人いなければそれだけ周りの負担が大きくなる。
私なんて何の力にもなれないのかも知れないけれど、それでも、一番下っ端の研修医の私が先輩たちの足を引っ張るわけにはいかない。
だから、頑張ってしまう。
「大丈夫です。もう少し様子を見て調子が悪ければ受診します」
本当は倒れてても仕事をこなすつもり。
今の私にはそうするしかない。
その時、
「お疲れ様」
聞き慣れた声が耳に届いた。
う、嘘。
私は固まった。