初恋のキミに、さよならを【番外編】
「桜に会えなくたっても、電話では声聞けるし、メールだって毎日やりとりできるだろう?」
「そうだけど‥‥‥」
スマホを持っている俺たちは、ほぼ毎日のように桜とメールをしている。
電話をすれば、明るい桜の声。
会えなくても、ちゃんと桜と繋がっている。
「だから、そんな悲しい顔するなって。桜は、きっと笑っててほしいって思うから」
目から零れた最後の涙を拭って、頭を優しく撫でると、美咲は少しだけ嬉しそうな顔を見せた。
「‥‥‥ありがとう、りく」
泣き顔より笑った顔の方が、美咲にはよく似合っている。
だから、これからも笑ってくれ。
俺のためにも、桜のためにも。
「やっと泣き止んだことだし、一緒に帰るぞ。美咲」
立ち上がって右手を差し出すと、美咲の右手が合わさった。
「うん!」