きみに ひとめぼれ
何も考えることができないまま、あいつと坂井さんが座る席の前の席に座った。
そこしか、僕に席はないんだから。
だけど、席に着いてからも、僕はそわそわして落ち着かなかった。
なんとか落ち着かせるために、両手をぐっと握ってみた。
「岡田さんが写真送ってくれるから、連絡先教えて良い?」
後ろからあいつが急に声をかけてきて、体が大きくびくんと揺れた。
「ああ、いいよ」
と僕は高鳴る心臓を抑えるように答えた。
あいつと目を合わせることはできなかった。
しばらくすると、招待メールが届いた。
あいつも坂井さんもすでにグループに入っていた。
坂井さんの連絡先も知ることができたのに、僕の気持ちは嬉しいというより沈んでいた。
次々と写真が送られてくるんだけど、それを見る余裕もなかった。
そうしている間にバスが出発した。