泣いて、凪いで、泣かないで。
―――ブーブーブーブーブーブー...


スマホが鳴った。

一体誰だろう。

私は電源のボタンを押し、画面をタップした。


「はい、もしもし」

「もしもぉし。汐衣愛でぇす」


しーちゃんからかけてくるなんて珍しい。


「しーちゃん、どうしたの?」

「あのねぇ、実はみーちゃんに見せたいものがあるんだぁ。本当はね、ゆっとに1番に見せようと思って電話したんだけど、出なくてさぁ。寝坊助だよねぇ、ゆっと」

「ははは。そうだったんだ。じゃあ、今からお昼食べて行くよ。しーちゃん家に行けばいいんだよね?」

「あのねぇ、今パパのお仕事見学しててぇ、漁港にいるのぉ。昔かくれんぼして遊んださぁ、工場の跡地覚えてる?」

「あっ、うん」

「そこで待ち合わせしよ。しーのこと、ちゃんと見つけてよぉ」

「分かった。じゃあ、そこに行くね。また後で」


私はそう言って電話を切った。

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