泣いて、凪いで、泣かないで。
いくつもある廃工場のうち、スタート地点から1番近くの工場に私は身を隠した。

そうしたら、案の定、鬼だったしーちゃんの死角になり、見つからなかった。

なっちゃんはスカートが汚れるのを気にして立って隠れていたから呆気なく見つかり、

ゆっとは隠れ場所をいつまでも探してふらふらしていたからすぐに見つかったらしい。

私はというと、ちょうど良いドラム缶の中に入り込み、じっと待っていた。

何十分も待ったけど誰も来なくて、おかしいなぁと思って顔を出しても誰もいない。

そのうちだんだん怖くなってきて、私は皆の名前を呼んだ。


「なっちゃん!」

「しーちゃん!」

「ゆっと~!」


でも、返事はなく、私はそれからしばらく眠ってしまった。


< 353 / 480 >

この作品をシェア

pagetop