無気力さんと同居するらしい



「ごちそうさま!すっごい美味しかった!」

「お粗末さまでした」

あっという間にペロリと平らげてしまったルイくん

お腹空いてたのかな

満足そうに笑う彼を見て可愛いななんて思いながら食器を片付ける


「…励まそうとしたの?」

ん?

「あんな重い話したから」

ルイくんが椅子に座ったまま私の顔を見上げる

「…ううん。ただ私お節介だからご飯食べさせたかっただけ」

それを励ましと言うのではと言われたら何も言えないけど


「ルイくんさっき過去は変えられないって言ってたけど、未来ならどれだけでも作れるんだよ」

「え?」

「嫌でも道があるのは前だけだってお母さんが言ってたの」

「佳奈が?」

「過去にがんじがらめになったって何か変わるわけでもないんだし、どうせ見るんだったら後ろより前の方が面白そうじゃない?」

こうやって食卓を囲みながら

お母さんが笑って言った言葉

「きっとルイくんの過去も今までの出会いも、何一つ無駄なことはないんだよ。未来はどれだけでも創造できるんだから糧にすればいいの」

無駄なんかじゃない

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