溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
そしてその週末……わたしは和也くんの部屋に引っ越しをした。
とりあえずは、和也くんも夜勤や出張で留守のことも多いから、実家とこの部屋を行き来する生活にすることにした。
とはいえ、きちんと両親に挨拶をしたことで、夜遅くなったり外泊をするときの後ろめたさがなくなったのはうれしい。
「こっちの部屋使って」
和也くんが、これまでほとんど使っていなかった部屋に案内してくれた。中に入ると作り付けのクローゼットと医学書が詰め込まれた本棚しかない。
「とりあえずで悪いな。必要なものはこれから買いに行こう」
「うん、でもベッド以外は急いで必要なものないなぁ」
クローゼットの中には引き出しもあった。洋服も小物も片付けられるだろう。
「ベッド? それ一番いらないだろ?」
「どうして? じゃあ、わたしどこで寝たらいいの?」
和也くんに、行き来するなら実家のものはそのままにしておいたほうがいいと言われたので、家具や寝具は持ってきていないのだ。
「なに言ってるんだよ。寝室で俺と寝るに決まってるだろ」
「あっ……」
そっか。たしかに寝室のベッドはふたりで寝ても十分な広さだ。それって毎日!
ちょっと想像してしまって、思わずひとりで赤面する。
「おい。ひとりでニヤニヤしてんじゃないぞ。早く出かけないと。色々買い物するんだろ?」
「うん!」
わたしは勢いよくうなずくと、すでに玄関に向かっている和也くんを急いで追いかけた。