溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
今からすべて明らかになる。事情がわかりつつある今でも、あのときの気持ちを思い出すと胸が苦しい。
そんなわたしの手を和也くんは、ギュッと掴んで急かすことなく中に連れていってくれる。
リビングにあるソファにわたしを座らせ「ちょっと待ってろ」と言って、自分はキッチンに向かった。
疲れ切ったわたしはソファに深く座り込んだ。色々な思いが胸に渦巻く。それをなんとか整理しようと、じっと目をつむって気持ちを落ち着けていた。
気配を感じて目を開く。和也くんが両手にマグカップを持って立っていて、ひとつをわたしに差し出した。
「お待たせ」
「ありがとう」
受け取りマグカップの中身を見ると、ミルクティーだ。
「とりあえず飲んで。淹れるの下手だから、好みじゃなかったらすまない」
「ううん。ありがとう」
アールグレイの華やかな香りにミルクのまろやかさが加わる。癖のある組み合わせだがわたしの好みの味だ。
「おいしい……」
「そうか、よかった。姉貴に聞いたんだ。この間会ったんだろ?」
わたしは小さくうなずいた。
和也くんがわたしの隣に座る。
「足はもう平気なのか?」
「うん。少し違和感があるけど、大丈夫だよ」
足を動かして見せると、和也くんの表情がほんの少しやわらいだ。
「なんであんな無茶なことしたんだ。瑠璃が襲われそうになっているのを見たとき本当に驚いた」
「体が勝手に……」
本当にそうとしか言い様がない。
「お前は俺の浮気相手かもしれない相手でも、助けるんだな。とんだお人好しだ。でもそういう瑠璃だから俺は好きになったんだ」
呆れたように笑う和也くん。だけどそれはお互い様だ。
「和也くんだって、困ってる人がいたら放っておけないじゃない。今回のことだってそうでしょ?」
「ああ、そうだ。瑠璃、週刊誌でレイナさんのことを知ったんだよな」
「うん」
そんなわたしの手を和也くんは、ギュッと掴んで急かすことなく中に連れていってくれる。
リビングにあるソファにわたしを座らせ「ちょっと待ってろ」と言って、自分はキッチンに向かった。
疲れ切ったわたしはソファに深く座り込んだ。色々な思いが胸に渦巻く。それをなんとか整理しようと、じっと目をつむって気持ちを落ち着けていた。
気配を感じて目を開く。和也くんが両手にマグカップを持って立っていて、ひとつをわたしに差し出した。
「お待たせ」
「ありがとう」
受け取りマグカップの中身を見ると、ミルクティーだ。
「とりあえず飲んで。淹れるの下手だから、好みじゃなかったらすまない」
「ううん。ありがとう」
アールグレイの華やかな香りにミルクのまろやかさが加わる。癖のある組み合わせだがわたしの好みの味だ。
「おいしい……」
「そうか、よかった。姉貴に聞いたんだ。この間会ったんだろ?」
わたしは小さくうなずいた。
和也くんがわたしの隣に座る。
「足はもう平気なのか?」
「うん。少し違和感があるけど、大丈夫だよ」
足を動かして見せると、和也くんの表情がほんの少しやわらいだ。
「なんであんな無茶なことしたんだ。瑠璃が襲われそうになっているのを見たとき本当に驚いた」
「体が勝手に……」
本当にそうとしか言い様がない。
「お前は俺の浮気相手かもしれない相手でも、助けるんだな。とんだお人好しだ。でもそういう瑠璃だから俺は好きになったんだ」
呆れたように笑う和也くん。だけどそれはお互い様だ。
「和也くんだって、困ってる人がいたら放っておけないじゃない。今回のことだってそうでしょ?」
「ああ、そうだ。瑠璃、週刊誌でレイナさんのことを知ったんだよな」
「うん」