【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
「う、嘘だ!」
「どうしてそんな嘘つかなきゃならねぇんだよ」
「だって綺麗じゃん!」
「あらま!」
そう言ったら真央の母?は両手を頬に添えて眼を細めて笑った。綺麗な人かと思えば仕草まで少女のように可愛らしい。
「どう見ても20代にしか見えないじゃんか!」
「キャーありがとう!嬉しいぃぃぃ!!」
そう言って彼女は私へと抱き着いて来た。ふわりと女の子らしい香りが私の体を包む。
「どこか20代だ。厚化粧なだけだろう、ババアが」
その言葉に真央の母の動きはぴたりと止まり、真央の帽子が吹き飛ぶほどの鉄拳を彼へ喰らわす。
「誰が厚化粧だ!このクソガキが!」
その声は低く響く。さっきまでの人と同一人物とは思えない程恐ろしい顔をして真央を睨みつける。
けれどころりと表情が変わり私の前へと再び立つと、さっきと同じ可愛らしい笑顔を見せて手をぎゅっと握った。
「私静綺ちゃんに会えるのずっと楽しみにしていたの」
「はは……」
笑顔が引きつったまま止まらなかった。
どう見ても20代にしか見えないような美しいお母さま。 中身も少女のように可愛らしいが、先ほど見せた鬼のような恐ろしい形相。
DNA怖すぎる。こんな綺麗な人が母親だなんて…どう見ても一緒に並んでいたらお似合いなカップルにしか見えないのに。
きっとこんな美しい一家は華麗なる家に住んでいるに違いない。召使いなんかいたりする真っ白の宮殿で青い目をした毛の長い白い猫を飼っているのだ。