【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜

…客観的に見て、この家族かなり変わっている。真央が変わり者なのも納得だ。

「静綺ちゃんは都内の大学生なんだって?」

「あ!はいそうです。栄養学を専攻しています!」

「ほう。それは立派だね。本当にこんな息子でいいのかねぇ」

「いえいえ私なんて本当に普通の人で…真央さんの仕事の方がすごいですから…」

真央’さん’なんて何か擽ったい。真央は横で不機嫌そうな顔をしてソファーに足を組み座る。殆ど口は開きはしない。

「静綺ちゃんは真央の暮らしてるグリュッグの寮でアルバイトをしているそうなのよ。真央が静綺の料理は世界で1番旨いって言うもんだから、ママこれからお昼ご飯出すの不安だわ~」

「おい!ババア!余計な事言ってんじゃねぇぞ?!」

真央の方を向くと顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
嬉しい事言ってくれるじゃないの。

一通り真央の両親と話をした。私の知らない真央の話を聞けたり、小さい頃の話をしてくれてとても楽しかったし、底抜けに明るい両親には全く嫌な印象もなく、何の取り柄もない普通の私にも親切で優しかった。

元舞台女優の母親と都内で美容関係の会社を経営するオーナーという事で緊張しまくっていた訳だが、快く受け入れてくれてスッと肩の荷がおりたような気がする。

真央のお母さん(芽衣ちゃんと呼んでくれと本人から言われた)が出してくれた紅茶はすごく美味しかったし、お昼ご飯のお手伝いをすると言ったら子供のように喜んでくれた。綺麗だけど可愛い人だ。

先程の駅での失態は両親ともども大笑いしてくれたが、当の本人の真央はもう全く痛くない足首を大袈裟におさえ「絶対に許さない」と言った。
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