若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
そう言われてみるとそうかもな…と納得する彼は、するっと指先を伸ばし、髪の毛の先に触れてくる。


「こういう格好を、あいつにも見せたことがあるのか?」

「え?」


あいつ?


「君にプロポーズするくらいだもんな。見たことくらい……あるよな」

「ええっ!?」


ドキンと胸を弾ませ、思いついたのは琉成さんのこと。
彼は何処かで琉成さんと会い、偶然その話を聞いたのかも……。


「あの……ひょっとして、琉成さんに会ったの?」


恐々訊ねてみると彼は髪の先から手を離し、自分の髪を乱暴に拭き上げながら、「バーで」と一言漏らしてくる。


「偶然、俺が座っていた席の近くに腰掛けたんだ。友人と二人で飲み合っていたんだが、急に君の話が始まって、『プロポーズした』と聞こえたから驚いて声をかけた。
俺が、君とは見合いをして、結婚を前提に付き合っていると言ったら驚いてた。君からは何も聞かされていないと言っていたし、自分の方が付き合いも長く、業界の厳しさも理解しているから、一緒に牽引していける…と豪語していた」


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