若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
悔しそうな表情を浮かべながら、バーであった話をしてくる彼。
それを聞いて私はぎゅっと唇を噛み、声も発せずに見つめ続けていた……。


「君は何故、あいつに俺のことを話さなかったんだ?畑違いの仕事をしている俺よりも、やっぱり同業者のあいつの方が自分には合う…と思っているからか?」


真顔で訊いてくる彼は、トン…と後方にあるドアに手を付き、私との距離を縮めるよう近寄ってくる。


「俺はあいつに、同業だからといって、理解が深まるとは限らないと言った。
むしろ、何も知らない相手だからこそ、知ろうとして理解ができていくのではないか、と言ったんだ。
俺は君とはそうしてきたように思うし、出会ってからの時間はまだ短いけれど、君とならずっと、そうやって理解し続けていける…と考えている」


だから、俺の方を選べ…と力強い瞳で迫ってくる。
けれど、私の頭の中には、先日会った女性のことが思い浮かび、本当に自分でいいのかどうかがわからず、俯いた。



「…私も、琉成さんとは折り合えないと思っています……」


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