若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「すまないが、社内へ戻らないといけなくなった。だからお茶はまた今度、次に会った時にでも飲もう。今日はどうもありがとう。とても面白かった」

「えっ!?」


これのどこが…と問いたくなる私と違い、彼はフ…と微笑むと、踵を返して去っていく。
おかげで私はまた呆気にとられ、ポカンとしたまま、相手の背中を見送ることになってしまった。



(あの人って、一体何者!?)


館内に盛り込まれた和の世界を私に見せ、一体何がしたかったの?

こっちが感想を述べるとクールに笑い、次から次へと設計したと思われれる場所をただ案内して回っていただけなのに。


(これの何が面白かったの?あの人は私の反応を見て、それが楽しかったと言うの?…ずっと何を考えてたの?感想を聞いて、それがあの人の何になるの?)


やっぱりマゾな感覚でいたの?…とぞっとする。

そうなると、誘われても次は乗りたくないかも…と拒絶し、今度こそは頑として断ろう…と決意を新たに固めてしまった。


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