あの丘で、シリウスに願いを

「ねぇ、まこと」

昼食時。コンビニの弁当を買って戻ってきたまことに翔太が声をかけた。

「今日は、何の予定があるの?」
「何って、決まってるじゃないですか!あ、ダメですよ。今日は雑用手伝いはしません。絶対5時です」

部屋には他のスタッフもいて、それ以上は聞けなかった。
まことがなんだか浮かれていることに翔太はイライラする。5時ギリギリに急患が入ればいいなんて不謹慎なことを考えたりしているうちに、5時になる。


「お先に失礼します!」
まことが元気いっぱいに挨拶をする。

「はい、お疲れ様ー」
水上がヒラヒラと手を振る。まことはペコっと頭を下げると満面の笑みで出て行った。

「…洸平」
「ストーカーで捕まるのだけは勘弁な。一応お前、部長なんだから」

さすが親友。言わなくても分かってくれて助かる。
まことは更衣室で着替えてから出てくるはずだ。今ならまだ間に合う。
翔太は、白衣を脱ぎ捨てた。



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